話し方教室「自閉症の子供への訪問診療では簡単明瞭なコミュニケーションが大切」

自閉症の子供に訪問診療でコミュニケーション能力を改善

ミズーリ大学医学部の研究チームは、同大学ホームページにて、医師の訪問診療により、自閉症の子供におけるコミュニケーション能力が改善したと発表している。

一方、自閉症の子供とその家族、医師など医療供給者にとって、訪問診療は難しい試みでもある。

研究チームを率いるクリスティン・ソール准教授は、訪問診療を通してより有益な効果を得られるように、診療前後や診療中、自閉症の子供とその家族、医療供給者が良好なコミュニケーションを図る必要があると述べている。

訪問診療前の打合せ

訪問診療に先立って、子供の親や家族は医療供給者のもとを訪ね、診療に対する要望や希望、子供の症状や状態などを伝える必要がある。

ソール准教授は、子供の失敗体験など苦手で嫌な体験、成功体験を共有することにより、医療供給者が訪問診療にて支援的環境を与え、子供の不安やストレスを最小限に抑えられると説明している。

訪問診療の開始前、医師と子供の親は、診療期間や新たな診療者追加のタイミングなど支援計画について綿密に話し合い、決定することが不可欠であるという。

訪問診療中は、簡単明瞭・直接的表現で話す

子供の状態により診療を続けるのが困難な場合、医師は診療事項に優先順位をつけ、子供の親と話し合って決定する。

自閉症の子供は、言葉通りに受け取る為、熟語・慣用句、言い方によって混乱する傾向にある。先の見通しが出来ない事象に対して、不安、動揺を感じ、攻撃的になる場合も少なくない。

その為、自閉症の子供と会話をする際、医師には簡単明瞭で直接的な表現を用いて話す話し方が求められる。合わせて、診療内容を説明することで、子供に見通しを持たせ、不安や動揺を軽減させる必要があるという。

訪問診療後の連絡

診療が終了する都度、親は医療供給者に対して、電話やメールで次回の診療内容に対する要望を伝えることで、次回の診療時に改善が見込める。

ソール准教授は、親と医療供給者が連絡を取り続けることで、訪問診療で得た効果を子供のミュニケーションに活かせると述べている。

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