話し方教室東京 コラム|幼児は、外国語でもコミュニケーションの機能を認識!

幼児の言語習得過程における新たな洞察

米国を本拠地として科学関係のニュースを配信するサイエンス・デイリーは1月24日、幼児の言語理解に関するニューヨーク大学の研究を取り上げた。この論文はコグニション誌に掲載された。

言語習得には、「語彙や文法の理解」とは別に、情報交換を行う「コミュニケーションとしての機能の理解」が存在する。これまでの研究では、コミュニケーション機能の理解が、母語の理解を基盤として必要とするかどうかがはっきりしなかった。

実験では12カ月の幼児に、大人2人が会話をしてその場にある物体を取り上げて渡す様子を見せた。会話には幼児の母語である英語、全く経験がないロシア語やスペイン語、鼻歌のような音を用いた。

話し手が物体に手が届かないときに聴き手がそれを手渡す場面で、それまで扱われた物体と違う物体が取り上げられると、幼児は長い間物体を凝視した。同じ結果は外国語でも得られたが、ハミング音の場合は見られなかった。

コミュニケーション機能の理解は、母語の理解とは別に発達か

幼児は実験において、コミュニケーションが失敗したことを外国語でも認識したかのようだった。または、幼児がコミュニケーション機能の存在をなじみのない外国語にも感知しているとも考えられる。

12カ月の幼児はまだ外国語の単語を物体に結びつけることが容易にはできないが、外国語の会話でも情報交換がされていることは認識しているようだ。

話し方教室の要点「幼児の言語能力習得」

言語の習得には、「語彙・文法の理解」とは別に、情報交換を行う「コミュニケーション機能の理解」が存在する。これまでの研究では、後者の理解は、前者の理解が前提になっているのかどうか、不明だった。

しかし、どうやら結論は出たようだ。コミュニケーション機能の理解は、(母語の)語彙・文法の理解とは別に発達していると。

■ 記事関連・話し方講座/親の会話,雑談力専門・話し方教室

■ 話し方コラム提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)/話し方コラム・スタッフ委員会