話し方教室東京 コラム|聴衆は子供!科学者のプレゼンテーション能力開発コンペ
科学者のコミュニケーションスキル向上策
サイエンティフィック・アメリカンでは1月29日、コミュニケーション・サイエンスが開催する科学コミュニケーションの国際コンペについて報道した。この国際コンペは科学者のコミュニケーション能力向上を図るものだ。
「ザ・フレーム・チャレンジ」と呼ばれるコンペは、ニューヨーク・ストーニーブルック大学の年次大会を開催したのが始まり。11歳の子どもが科学をテーマにした問題を提起し、エントリーした科学者の回答を審査。分かりやすくクリアに回答した人が勝者だ。
科学者が特定の聴衆を巻き込み、聴衆からのフィードバックなどを得ながら、コミュニケーションスキルを向上させるのが目的だ。
科学は身近なものだが、魅力が分かりやすく伝わっていない
俳優であり科学コミュニケーターであるアラン・アルダ氏も、11歳のときに教師に質問をしている。当時彼は「炎」が不思議な存在だと感じており教師に尋ねたところ、「それは酸化だ」と答えた。
その当時の不満などを踏まえ、彼は科学者のコミュニケーション能力の向上設計に着手。コンペもその一環だ。
科学者はしばしば科学的問題を話すとき、その複雑さのために専門用語に頼ってしまう。科学は身近なものであるにも関わらず、その魅力を分かりやすく伝えられないために、一般の人たちとのギャップが課題となっている。
今年2018年のコンペは「気候とは何か」というテーマで行われるという。
話し方教室の要点「科学者のプレゼン能力開発」
アメリカとは面白い国だ。11歳の子どもの科学の問題提起に、(大人の)科学者が回答する。
その目的が、科学者のコミュニケーションスキル向上にある、というのだ。こんなイベントは、日本では考えられない。
難しいことを分かりやすく伝えることがコミュニケーション能力なら、これほど有意義なイベントもないだろう。
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