話し方教室東京 コラム|ホーキング博士に声を提供した技術を、誰にでも使えるように!

高機能なコミュニケーション支援システム:AAC

最近亡くなった世界的な物理学者ホーキング博士は、高機能なコミュニケーション支援システムとして知られるAAC(Augmentative and Alternative Communication)を使っている著名人で、AACがコミュニケーションツールとして効果的な手段であることを示してくれた。

一方、シドニー工科大学のブロンウィン・ヘムズリー教授は、3月16日のザ・カンバセイションの記事で、AACを必要とするオーストラリア人が数多くいるものの、サポートを受けられない現状について述べている。

AACの中には、身振り手振りのジェスチャー・文字板・など、テクノロジーを全く使わないで相手とコミュニケーションをとる方式から、スマホのアプリ・コンピュータ等を用いたハイテク機器まで様々ある。

ホーキング博士は、スクリーン上の文字や文章をスキャンして「話す」ことのできる装置を使い、コミュニケーション障害のある人が潜在的能力を発揮できることを実現した。

AACを、誰もが使えるコミュニケーション・システムに

AACの有用性はホーキング博士により示されたが、応答が遅いために、メッセージが伝わった時点には会話のタイミングがずれることや、使い勝手が悪い問題がある。AACの設計者は、ユーザーの個性を尊重して一緒に設計することが大切だ。

残念ながら、オーストラリアでは、技術に必要な資金だけでなく、コミュニケーション・システムを設計し教えてくれる専門家が不足している。オーストラリア統計局は、120万人ものオーストラリア人がコミュニケーション障害を抱えていると推定している。

今こそ、AACを必要とする全ての人のコミュニケーションシステムを開発し、彼らの光り輝く可能性をもたらすのだ。

話し方教室の要点「コミュニケーションツールでコミュニケーション障害を克服する」

ホーキング博士は、難病にもかかわらず科学で偉大な業績を上げた人であることは皆さんご存じのことであろう。

しかし彼がAAC(スクリーン上の文字や文章をスキャンして「話す」ことのできる装置)を使い、コミュニケーションを取っていたことを私は知らなかった。ちなみに、AACの有用性はすでに示されたが、応答が遅いこと、使い勝ってが悪いことが現在の問題であるという。

しかしその問題の解決を、私は楽観している。ITやAIの進化のスピードには目覚しいのもがあるからだ。それより真の問題は、それ以外にありそうに思える。

それは、その病気に対する人々の「無関心」だ。この解決ばかりは、残念だが時間がかかりそうに思えてならない。

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