話し方教室東京 コラム|謝罪のリーダーシップ
フィラデルフィアのスターバックスでの事件
フィラデルフィアのスターバックスでアフリカ系アメリカ人の男性2人が逮捕された事件が報道されている。これを受けてスターバックスのCEOが示した態度に学ぶべきリーダーシップがあると、4月16日のインクで報じている。
報道の詳細は、2人のアフリカ系アメリカ人の男性が店内に着席してトイレを使用したいと言ったが、何も注文しなかったので店員は退店を求めた。しかし男性たちは友人を待っているためそれを拒否すると、不法侵入の疑いで逮捕されたのである。
この一件は、人種差別ではないかと抗議行動やボイコット運動が起こる騒動となったが、スターバックスのCEOであるケビン・ジョンソン氏は、ウェブサイト上で正式に謝罪した。そこに学ぶべきリーダーシップ論がある。
スターバックスCEOケビン・ジョンソン氏のリーダーシップ
ジョンソン氏はまず初めに2人の男性に対して、非難されるべき点は何もなかったのに申し訳なかった、という深い謝罪の気持ちを表している。
そしてこの件に関する従業員の態度や姿勢は、スターバックスの目指す価値観とは相容れないと非を認めている。これを教訓に、今後似たような状況に陥った時の対処法を改善すると約束した。
また、今回の件に関与した従業員は何らかの処罰を受けるべきだと言う世論に対し、それは会社として正しい選択ではないと述べている。なぜならこれは経営側の責任で、こういう結果を引き起こしてしまった会社の方針や指導に問題があるからだと言う。
従業員を解雇して、彼らに責任を押し付けてしまうことは、騒ぎを収束するためには確かに手っ取り早い方法かもしれない。しかしたかが1人か2人の従業員を解雇しただけでは、決して根本的な解決にはならず、そこにはデメリットしかないという結論は、会社の未来を見据えた冷静な判断であろう。
ジョンソン氏は、従業員が無意識に持っている偏見の指導を含め、会社の方針を改善する必要があり、その責任は全てCEOである自分にあると言っている。なぜなら真のリーダーシップとは、状況が良い時だけでなく、悪い時も発揮されなければならないからである。この悪い局面時に、真っ向から立ち向かえるかどうかで、リーダーとしての本質が決まるのである。
話し方教室の要点「謝罪のリーダーシップのポイント」
スターバックスCEOジョンソン氏の謝罪
1.相手方に、深い謝罪の気持ちの表明。
2.非を認め、今後似たような状況に陥った時の対処法を改善すると約束。
3.従業員の起こした過ちは、従業員の責任ではなく経営側の責任と認識。その責任は全てCEOにあると表明。
「謝罪」とは、難しいものである。しかしその対応次第で、災い転じて福となすことも可能なのだ。ジョンソン氏の謝罪は、好感が持てるもので、かえってスタバの評価は上がったのではないかと思える。
謝罪もコミュニケーションである。このコミュニケーションには、相手側に立つ視点と、強い責任感が必須だ。ビジネス・コミュニケーションの向上なら名門校・日本コミュニケーション学院の話し方教室講座で、訓練されるのがよいだろう。
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