話し方教室(東京)「朝礼スピーチの話材/日本人って、子供なの?」
「明日の外出は、お控え下さい」と、大人に言う?
昨日(土曜)の夜は、関東も春の嵐で、雨風が台風並みに凄かった。でも、今日(日曜)の東京は、風は強いものの晴天だ。
一昨日(金曜)夜の、テレビの天気予報で気になった点がある。
それは「明日・土曜日の外出は、お控え下さい」と、予報士が言って
いたことだ。
一つのテレビ局だけではない。幾つかの局でそう言っていたのだ。
「外出はお控え下さい」。これは一体、誰に対して、言っているのだろうか。
子供に?
いや、そうではない!夜の遅い時間帯のテレビだったから、きっと、大人に対して言っていたのだ。
「危険・泳ぐな!」と、「危険・自分の責任で泳げ!」の違い
私は思う。大人なら、外出するかどうかの判断は、自己責任で、自分で下すもの。だから、「外出はお控え下さい」は、余計なお世話だと。
それで思い出したことがある。
私は若かりし頃アメリカに何カ月か滞在した。その時のこと。川や海の危険なところには、看板があった。そこには「危険」とは書いてあっても、決して「泳ぐな」とは、書いてなかったのだ。
もしこれが日本なら、「危険」、「泳ぐな」と、書いてあるところだ。
では彼の地アメリカでは、何と書いてあったのか。実は、「危険」、「自分の責任で泳げ」と、書いてあったのだ。
つまり、泳いでもよい。でも、何があっても自分の責任だよ!ということ。これがアメリカなのだ。ここには、人を大人として扱う文化がある。
大人を子供扱いする言葉づかいを、やめよう!
一方、日本では、人を子供として扱う文化があるように思う。大人に対して、(危険だから)「泳ぐな」、(雨風強いから)「外出するな」と、平気で言える(書ける)国なのだから。
さて、先の「明日・土曜日の外出は、お控え下さい」は、どう表現すべきだったか。
外出するかどうかの判断は、大人である視聴者各人に任せるのが正しい。そうすると、せいぜい、「外出の場合は、ご注意下さい」になる。
日本人は、もっと、人を大人として扱うようにならなければいけない。日本人は、もっと、大人にならなければならない、私はそう強く思った。
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