話し方教室(東京)「朝礼スピーチの話材/あなたの景気判断指標は何?」

景気を判断する指標

最近の新聞を見ていると、海外旅行 や不動産の広告がずいぶんと目に付くようになった。またこの1年、夜の街の人出も増えた。景気がよくなってきた証である。

景気を判断する指標として、様々な指標があるのだが、私の場合は、前述の海外旅行と不動産広告の多寡、夜の街の人出の多寡などで、景気の良し悪しを判断している。

タクシーに乗ったら「長距離は増えてますか?」と聞く

経営者や経営コンサルタントには、タクシーに乗ると運転手さんとよく会話をする人がいる。たいてい「最近、景気はどうですか?」で会話が始まる。

運転手さんも心得たもので、気軽に応じている。「まだ全然ですねえ」とか。「最悪よりは少しは良くなりましたが、良かった頃の半分もいきません」などと応じている。

私もタクシーに乗ると、必ず上記の会話をする。私の場合は、もうひとつ必ず運転手さんに尋ねることがある。それは「長距離は、増えてますか?」なのだ。

なぜこれを聞くかというと、長距離を個人が乗ることは、まずない。長距離のほとんどは、会社利用。だから、長距離が増えたかどうかは、会社利用が増えたかどうかをあらわすわけだ。

会社は、業績が良くない限り、長距離タクシー利用は控える。つまりタクシーの長距離利用からは、企業業績の良し悪しが透けて見えてくるのだ。

経済は心理で動く

先の海外旅行や不動産広告、夜の街の人出からは、個人の景気状態が読み取れ、タクシーの運転手さんとの会話からは、企業の景気がわかる。

順番から考えれば、企業の景気がよくなって、給料が上がり、その後、個人の景気が良くなりそうなものだが、私がリサーチした「実態」は違っている。

実際のところは、企業の業績が上がるずっと前から、夜の街の人出が増えていたのだ。そうすると、人々は給料が上がったから、お金を使うのではない、ということになる。

なんとなく「先行きが明るそうだ」という期待感で、お金を使い出していた。それが実態だ。正に、「経済は心理」と言える。

そう考えると、国のリーダーには、「先行き明るい」と思えるビジョンと政策を、継続的に、打ち出していくことが求められる。彼らには休んでいる暇などない、はずだが・・。

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