話し方教室 教養講座-技術者が、技術者以外の人たちに説明する時に注意すべきこと!
技術者が非技術者に対して説明を行う際、専門用語や複雑な概念の理解が難しいという問題がしばしば発生します。これは説明する側の問題、そう言ってよいのです。
専門用語を極力避ける
技術者としての深い知識があるため、本人にとっては専門用語を用いて説明することが自然ですが、非技術者にとってみれば、それが障壁となります。
したがって、より一般的な言葉を選んで説明を行うことが重要です。例えば、「サーバー」という言葉を使う代わりに「インターネットのデータを保存しておく場所」と説明するなど、具体的で、視覚的な言葉を使うことで理解が深まります。
また、複雑なプロセスや概念を説明する際は、アナロジー(類推、類比。比喩表現の一つ)を使って、やはり視覚的に示すことでわかりやすくなります。
聞き手視点に立って話す
技術的な内容を説明する際は、聞き手の知識レベルや関心を考慮に入れることが大切です。そのためには、聞き手の背景知識を確認し、説明の深さや角度を調整する必要があるのです。
非技術者には、詳細な技術的説明よりも、その技術がどのように彼らの日常生活や仕事に役立つかの方が関心のあるポイントになるものです。
例えば、新しいソフトウェアツールを紹介する場合、その機能の技術的な説明よりも、どのように業務効率が向上するか、または問題がどのように解決されるかを中心に話を進める方が、聞き手の興味を引くことができます。
フィードバックを受けて話を調整する
コミュニケーションは双方向のプロセスです。技術者が一方的に情報を提供するのではなく、聞き手が内容を理解しているかどうかを確認しながら進めることも重要です。
これには、質問を受けることや、簡単な要約を依頼してみるなどが効果的です。また、視覚的なサポートとして、図表やイラストを使用することも理解を助ける手段となります。
フィードバックを通じて聞き手の理解度を確認し、必要に応じて説明の方法を調整することで、より効果的なコミュニケーションが実現します。聞き手からの質問に対して明確に答えることで、信頼関係を築き、更なる理解促進にもつながります。
話し方教室の視点/今日の一言
「技術者は、聞き手視点で話せ」
技術者が非技術者に説明する際は、上記のポイントを心掛けてください。
中でも、一番重要なのが「聞き手視点」です。これがあれば、専門用語は使いませんし、自分だけのペースで話を進めることもありませんから、より分かりやすい話ができるようになります。
技術者のコミュニケーション改善の努力は、職場における技術者と非技術者間の連携を強化し、プロジェクト全体の効率を向上させる効果も期待できますから、面倒と言わずに、ぜひ取り組んで欲しいと思っています。
学院総長 酒井美智雄
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