話し方教室 教養講座-相手を理解するとは、相手の言っていることを理解するだけでは足りない!

コミュニケーションにおける「理解」とは

コミュニケーションにおいて「相手を理解する」ということは、単に言葉の内容を聞き取ること以上の意味を持ちます。

本当の意味での理解には、相手の言葉だけでなく、その背後にある意図や感情を感じ取る能力が求められます。相手がどのような状況にいるのか、何を感じているのかを知ることで、より適切な反応を示すことができるのです。

言葉はしばしば誤解を生むことがありますが、非言語的なサインや感情の表出を読み取ることで、より深いレベルでの対話が可能になります。

観察と共感で相手の「感情」を読み取る

相手の感情を理解するためには、観察力と共感力が不可欠です。

観察力によって、相手の表情、身振り、声の調子といった非言語的な情報から感情を読み取ることができます。そしてその感情に寄り添うことで(つまり、共感することで)相手をよりよく理解することが可能になります。

これには、自己中心的な視点を捨て、相手の立場に立って物事を考える訓練が求められます。相手の感情に敏感であることは、信頼関係を築き、対話を深めるための鍵となります。

アクティブリスニングで「真の理解」を

相手の言葉と感情を理解するためには、アクティブリスニングが有効です。

アクティブリスニングとは、相手の話に積極的に耳を傾け、理解を深めようとする姿勢です。これには、相手の言葉を繰り返したり、要約したりしてフィードバックを行うことも含まれます。

これにより、相手は自分が理解されていると感じ、さらに多くの情報を共有するようになります。また、適切な質問をすることで、相手の本当の意図や感情を引き出すことも可能になります。

話し方教室の視点/今日の一言
「感情に対する洞察力を高めることが、良いコミュニケーターの条件である」

相手を理解するとは、言葉の表面だけでなく、その深層にある感情や意図までくみ取ることを意味します。この深い理解が、真のコミュニケーションを実現し、人間関係を豊かにするのです。

そのため、日常のコミュニケーションでは、相手の感情に対して敏感であることが重要です。感情の細かな変化に気づくことができれば、対話の中で起きている動的な変化を把握しやすくなります。

例えば、相手が話の途中で声のトーンを変えたり、話題を急に変えたら、何か心理的な変動があったと考えることができます。そして、これに対して適切に反応することで、相手の信頼を獲得することにつながります。

人は理性よりも、感情に支配されています。ですから、感情に対する洞察力を高めることが、深い人間関係を築く鍵となるのです。

学院総長 酒井美智雄

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