話し方教室「1クラスに数人の子供は、言語障害を抱えている」

子供の言語障害

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのコートニー・ノーブリー教授が率いる研究チームは、「Journal of Child Psychology and Psychiatry」にて、イギリスでは毎年、小学校入学時の1クラス30人あたり2人の子供は言語障害を抱えていると発表した。

研究論文によると、原因不明の言語障害を抱える子供は、社交不安障害、情緒障害、行動障害を併発し、うち88%が小学校初期の教育課程を受けることが困難であったという。

言語障害の診断基準

現在、精神障害の診断と統計マニュアル「DSM-5」では、言語知能(VIQ)と非言語知能(NVIQ)において有意差が認められた場合、言語障害であるとの診断が下される。

「DSM-5」は、アメリカ精神医学会によって定められた診断基準である。

ノーブリー教授は、「DSM-5」によると言語知能が低く、非言語知能が高く、知能差が大きい子供は言語障害と認定されて特別支援が受けられるが、言語知能と非言語知能が低く、知能差が小さい場合は診断から外れると指摘する。

1クラス2人の割合で言語障害

研究チームは、サリー(イングランド南東部)にて公立小学校1年生クラスの子供12398人(4~5歳)を対象に、7267人を言語能力、非言語能力、社交不安障害(社会不安障害)、情緒障害、行動障害において総合的に評価したところ、30人中2人の子供が言語障害を抱えているとの結果になった。

従来の診断基準と比較すると、「DSM-5」による言語的評価では4.8%、総合的評価では7.58%が言語障害と診断された。

その為、ノーブリー教授は、言語障害の診断にあたり、新たな診断基準を作る必要性があると訴えている。

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