話し方教室「ビデオゲームと、若者の人間関係(その攻撃性)との関係性」
ビデオゲームに対する学者の意見はモラルパニックに似ている
国際コミュニケーション学会の発行する「コミュニケーション」誌に3月29日、ビデオゲームの影響に対して学者が抱く意見についてまとめた研究論文が掲載された。
著者は米ステッソン大学ファーガソン博士と英ウエストミンスター大学のコルウェル博士。
数十年にもおよぶ研究にも関わらず、若者の攻撃性といった公衆衛生上の問題に対して、ビデオゲームがどのような影響をおよぼすのかという点について、学術的な意見の一致には至っていない。
近年、ビデオゲームに対する学者の意見は、世代間の対立を反映したモラル・パニックに似ているという仮説が提起されている。
すなわち、ある時点の社会秩序への脅威とみなされた特定のグループに対して発せられる激しい感情と似ているというのだ。
学者の若者に対する考え方とゲームに対する考え方は相関する
同研究では、犯罪学者、心理学者、メディア研究者の計175人を対象に、上記の仮説を検証。ビデオゲームに対する全般的な否定的態度と、若者の攻撃性と関連して認識しているかどうかについて調べた。
その結果、同研究においても、ビデオゲームの影響に関する問題について、学術的なコンセンサスは得られず、ビデオゲームが若者の攻撃性に関与しているという意見を支持した学者は15.3%のみだった。
仮説では、年配の学者ほど概してビデオゲームに対してネガティブな意見をもっており、それは年齢そのものよりもゲームの経験の有無に関係しているものだと考えられている。
今回の研究では、若者自身に対して否定的な考え方をもっている学者ほど、ゲームに対しても否定的であることが明らかになった。
また、犯罪学者とメディア研究者は、心理学者よりも、暴力的なゲームが若者の攻撃性に寄与しているということに対して懐疑的な傾向にあったという。
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