話し方教室「スマホアプリMiitomoと自己表現に関する研究」

自己表現とテクノロジー・デザインに関する考察

任天堂のスマホアプリ「Miitomo」と自己表現に関する研究が、人とコンピュータの相互作用研究における国際会議で発表された。同会議の名称は「コンピュータシステムにおける人的要因に関する会議2017」。米コロラド州デンバーで5月6日~11日にかけて開催された。

同研究を発表したのは米カーネギーメロン大学のアンナ・カスニック氏とジェフ・カウフマン氏。「Miitomo」は自分にそっくりな「Mii」を通じて友だちとコミュニケーションするアプリだ。

両氏は、同アプリを「理想化せずに自分を分身化すること」と「本当の自分を表現すること」を同時に促進するものと捉え、自己表現とテクノロジー・デザインに関する考察を行った。

アプリ内の行動は、本当の自分を反映していなかった

研究では、友だち4人組10グループ、計40人を対象に1週間「Miitomo」をやってもらい、使用前後について調査を行った。ちなみに、参加者40名は全員、同アプリの初心者である。参加者の「アプリ内」での行動と「リアル」な生活との関係を解析したところ、意外な結果が得られた。

ほとんどの参加者が「アプリ内」の行動は「本当の自分」を正確に反映していると信じていたにもかかわらず、「本当の自分」における性格の主要5因子と「Mii」における性格の主要5因子との相関はなかったのだ。

両氏は、オンラインにおけるコミュニケーションと本当の自分との距離について、さらなる研究が必要だとしている。

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