話し方教室東京 コラム|スピーチでは聴衆の存在が、話し手のパフォーマンスに肯定的影響を与える!

スピーチは、死に勝る恐怖である

「となりのサインフェルド」で有名なコメディアンのジェリー・サインフェルドには、「告別式参列者の大半は、人前で弔辞を述べるくらいなら、自分が棺桶に入ったほうがマシだと考えている」とのコメディーネタがある。

デイリー・タイムズによると、つまり人前で話すことは、恐怖の対象として、死に勝ることを意味するという。2000人以上を対象とした世論調査では、パブリックスピーキングに対する恐怖が死に対する恐怖を遥かに上回るとの結果になった。

観衆に見られている状況下でのパフォーマンスは向上

スピーチの恐怖は、聴衆の存在によるところが大きい。しかしながら、ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、「ソーシャル・コグニティヴ・アンド・アフェクティブ・ニューロサイエンス」にて、スピーチにおいて、聴衆の存在が話し手の脳に肯定的な影響を与えると発表した。

同研究チームは、先行研究にて、アスリートを対象に脳とストレスの関係性を検証したところ、脳の線条体と呼ばれる領域がストレス刺激、ストレスに対する身体の反応・行動に関与することを発見した。

先行研究結果より、ヴィクラム・チブス准教授は、聴衆が特定の能力・スキルの成果を妨げるとの仮説を立てた。今回、研究チームは、参加者20人(19~32歳)を対象に、観衆とパフォーマンスの関係性を検証した。

参加者は2種類の状況(観衆に見られている状況、誰にも見られていない状況)にて、ビデオゲームを行った。レベルアップやクリアで得たゲーム報酬を比較したところ、観衆に見られている状況下では、ゲーム報酬が5%から20%増となった。

スピーチでは聴衆の存在が、話し手のパフォーマンスを向上させる

ゲーム報酬と合わせて、研究チームは、参加者がゲームを行っている間の脳活動を磁気共鳴機能画像法(fMRI)にて観察した。

観衆に見られている場合、前頭前野腹内側部(社会的認知、思考、情緒機能に関与する領域)の活動が高まり、報酬系の大脳皮質腹内側部(報酬に基づく行動、思考、認知に関与する領域)が活性化した。前頭前野腹内側部と大脳皮質腹内側部の活性により、線条体の働きが促された。

チブス准教授は、社会的判断(意思決定)における神経処理がモチベーションを高め、社会的促進効果(個の成果が周囲の存在により向上・低下する傾向)を生むと結論付けている。しかたがって、スピーチでは、聴衆の存在が話し手のパフォーマンスに肯定的な影響をもたらすと考えられる。

話し方教室の視点「スピーチ恐怖症を克服するポイント」

1.「告別式参列者の大半は、人前で弔辞(スピーチ)を述べるくらいなら、自分が棺桶に入ったほうがマシだと考えている」(コメディーネタ)

2.デイリー・タイムズの調査結果によると「パブリックスピーキングに対する恐怖が死に対する恐怖を遥かに上回るとの結果になった」。

スピーチの恐怖が、死の恐怖を上回るという結果は、アメリカでは古くから、色んな媒体調査で示されて来ている。日本人だけではなく、アメリカ人にとってもスピーチは恐怖なのだ。シャイな日本人なら、なおさら、であっても不思議ではない。

スピーチ恐怖症につける薬は、訓練である。それしかないのだ。ただ、教える人のレベルで、訓練結果が違ってくる。これは勉強でもスポーツでも同じことだ。

スピーチ恐怖症の解決は、人生に多くの幸をもたらしてくれる。真剣に、そして速やかに解決したいのなら、スピーチの名門・日本コミュニケーション学院の話し方教室で学ばれるのが一番だ。

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