話し方教室東京 コラム|スターバックス会長から、リーダーシップコミュニケーションを学ぶ

世間を騒がしたスターバックス人種差別事件

「ファイブ・スターズ」、「TED驚異のプレゼン」等の著者であるカーマイン・ガロ氏は、5月29日に、スターバックス・フィラデルフィアの店舗で発生した人種差別事件に関連し、スターバックス会長のハワード・シュルツ氏の対応および首尾一貫した経営姿勢を紹介した。

4月12日、黒人男性2人は、フィラデルフィア店舗を仕事の打ち合わせ(計3人)場所としていた。もう1人(白人男性)が来店するまで、2人は注文を控えていた。

店長は、2人が注文をせずに店内に居続けたため、警察を呼び逮捕に至った事件はネットで瞬く間に広まった。

シュルツ会長に学ぶリーダーシップ・コミュニケーション

カーマイン・ガロ氏は、最初の著書であるコミュニケーション・スキルのための取材で、2005年、ハワードシュルツ氏にインタビューを行った。

ハワード・シュルツ氏は、「コーヒーは一商品として販売するものにすぎず、我々は、店内のコミュニティや人間関係の場を売る企業であること」を強調した。

コミュニケーション・アドバイザーを自負していたカーマイン・ガロ氏は、ハワード・シュルツ氏から、スターバックスが「モノ」を売るのではなく、夢や目標などの「コト」を売るという使命に基づいて経営していることを学んだ。

そこで、リーダーシップ・コミュニケーションへの新たなアプローチ方法を開眼したのである。

スターバックスは店内のコミュニティーや人間関係の場を売る

ハワード・シュルツ氏によって公開された手紙には、フィラデルフィア店が行った行為は、非難されるべきであり、スターバックスの使命や不朽の価値に相容れないこと。

5月29日午後は、8000店舗を閉めて人種差別防止研修を行うことや従業員が経営理念を共有し、誇りをもって仕事をすることの重要性が記してある。

35年前にミラノのエスプレッソ・バーで感じた強いコミュニティ感と人間関係の印象を蘇らせ、初心に戻る意思を表明している。ハワード・シュルツ氏の考え方は、創業当初からまったくぶれていなかったのだ。

話し方教室の視点「リーダーシップ・コミュニケーションのポイント」

1.2005年当時、ハワードシュルツ氏は、「コーヒーは一商品として販売するものにすぎず、我々は、店内のコミュニティや人間関係の場を売る企業であること」を強調した。

2.2018年、スターバックスの人種差別事件後、シュルツ氏によって公開された手紙には、以下の旨が書いてある。

・フィラデルフィア店が行った行為は、非難されるべきであり、スターバックスの使命や不朽の価値に相容れないこと。

・5月29日午後、8000店舗を閉めて人種差別防止研修を行うことや従業員が経営理念を共有し、誇りをもって仕事をすることが重要。

会社や組織で何か大きな事件が起きた時には、その組織トップの社内外へのメッセージ、コミュニケーションが重要になる。

ご存じスタバの事件では、会長が速やかに発したメッセージが社会に受け入れられ、かえってスターバックスのイメージが向上したと言われている。

一方、日本ではどうだろうか。日大アメフト部の事件では、組織のトップは全く出てこず、社会に何らのメッセージも発してはいない。日大ブランドに大きな傷をつけたと言っていいだろう。

自動車のエアバッグメーカー・タカタも同じ。アメリカでのリコール問題に際して、最後までオーナー社長は出てこず。出てきた時には、民事再生を申請するしかない始末だった。

日大にしろ、タカタにしろ、すぐにトップが出て来て、社会に的確なメッセージを発していたなら、ここまで事態は悪化していなかっただろう。トップの責任は大きいを言わざるを得ない。

さて、リーダーのコミュニケーションを学んでおきたい方は、スピーチの名門・日本コミュニケーション学院の社長・経営者の話し方教室で事前にしっかりと訓練されるのが一番よいだろう。

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