話し方教室(東京) コラム「議論に勝つ最良の方法は、正しいことから始めることである。」
【今日の金言/2024-09-06】
「議論に勝つ最良の方法は、正しいことから始めることである。」
ジル・ルッケルシャウス
この格言は、シンプルでありながら、コミュニケーションや対話の深い真理を突いています。
1.事実に基づく主張であること
議論の初めに「正しいこと」からスタートするというのは、事実に基づいて自分の主張を組み立てることを意味します。
事実とは、検証可能で、共通認識のある情報のことを指し、これが議論の基盤となります。事実に基づく議論は、誤解や偏見に基づいた議論よりも強固で説得力があります。
また、事実を正確に把握し、それを根拠にして議論を進めることは、相手に対する尊重も表しており、議論を建設的な方向に導くことができます。
2.倫理的に正しいこと
「正しいこと」から始めるというのは、単に事実的な正確性に留まらず、倫理的な正しさをも求めます。
つまり、正義に基づいた行動や主張が求められるわけです。倫理的な観点から議論を進めることは、社会的な受容性を高め、より広い視聴者に訴えかける力を持っています。
自分の立場が倫理的に正しいという自信は、自己表現を強化し、他者に対する説得力を増すため、議論において非常に強力な武器となります。
3.感情に訴えること
そして、議論においては、論理だけでなく感情に訴えることも重要です。
人々は感情的な動機に基づいて行動することが多く、理論やデータだけでは心を動かすことはできません。したがって、「正しいこと」から始めるということは、相手の感情や価値観を理解し、尊重することも意味します。
感情を無視した議論は、しばしば相手を遠ざけ、防御的な反応を引き出してしまいます。逆に、相手の感情を理解し、共感を示すことで、より効果的にコミュニケーションを取ることができるのです。
以上の三つの視点は、それぞれ相互に影響を与え合いながら、より強力で影響力のある議論を形成します。「正しいことから始める」というルッケルシャウスの格言を理解することで、議論に強くなることは、間違いないでしょう。
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