話し方教室(東京) コラム「真実を語ることは、必ずしも賢明ではないが、誠実である。」

【今日の金言/2024-09-22】

「真実を語ることは、必ずしも賢明ではないが、誠実である。」
マーク・トゥエイン

この言葉は、コミュニケーションの複雑さと倫理的側面を浮き彫りにする重要な格言です。

真実を語るとは?

まず、真実とは客観的な事実に基づく情報のことを指しますが、この情報が常に他人にとって有益であるとは限りません。

真実を伝えることが相手にとって不快感や困惑を与える場合もあります。たとえば、友人が新しいファッションを試みている時に、その服が似合っていないと感じたとしても、それを率直に伝えることが常に良い結果をもたらすとは限らないのです。

このように、真実が常にポジティブな影響を与えるわけではなく、時にはその場の状況を悪化させることもあるため、コミュニケーションにおいては慎重に扱うべき要素といえます。

誠実とは?

誠実とは、私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対することです。誠実であるとは、他人に対して正直であると同時に、自分自身に対しても正直であることを含みます。

人々は一般的に誠実な人物を信頼し、尊敬する傾向にあります。したがって、真実を伝えることは誠実さの表れとなり得ますが、それが必ずしも賢明な選択ではない場合もあるのです。つまり、他人の感情と衝突することも発生しうるのです。

賢明なコミュニケーションとは?

賢明さとは、その場の状況や文脈を理解し、最も適切な行動を選択する能力です。

これには、相手の感情や反応を予測し、場合によっては真実を伝えることを控えることも含まれます。賢明なコミュニケーションは、ただ事実を伝えるだけでなく、それをどのように伝えるか、また伝えるタイミングや方法にも注意を払うことと言ってよいでしょう。

トゥエインの格言は、誠実さが常に最良の策とは限らない複雑な人間関係のダイナミクスを指摘しています。そして、コミュニケーターは、その場の状況を考慮に入れた上で、最善のコミュニケーションを取ることを常に考える必要があることを教えてくれているのです。

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