話し方教室(東京) コラム「話すことは易しく、聞くことは難しい。」
【今日の金言/2024-12-24】
「話すことは易しく、聞くことは難しい。」
ウォルター・バジョット
この格言は、コミュニケーションの根本的な側面を浮き彫りにしています。
話すことの容易さとその誤解
多くの人々は、言葉を発すること自体には特に難しさを感じません。日常会話では、自分の意見や感情を自由に表現することができ、それには特別な訓練や技術が必要ではないと考えがちです。
しかし、本当の意味での効果的な話術は、「ただ話す」以上のことを要求します。相手の感情や反応を考慮に入れ、適切なタイミングで、適切な言葉を選ぶ必要があるのです。
それにもかかわらず、多くの人はこの技術を自然な能力と混同し、真剣に学ぶ必要を感じていません。これが、バジョットの言う「話すことは易しい」という認識の背景です。
聞くことの重要性とその認識の低さ
一方で、「聞く」ことは、多くの人にとってはるかに困難です。これは、単に音声を耳にすること以上の意味を持ちます。
効果的な聴き手になるためには、話されている内容を正確に理解し、それに対して適切に反応することが求められます。これには、注意深く耳を傾けること、話の背後にある感情や意図を読み取る能力、そして対話を形成するための質問やフィードバックを提供するスキルが必要です。
この複雑なプロセスをマスターするためには、意識的な努力と練習が不可欠です。聞くことの重要性はしばしば過小評価されがちですが、実際にはコミュニケーションの中で最も重要な要素と言っても過言ではありません。
話す技術と聞く技術のバランスの重要性
バジョットの格言は、効果的なコミュニケーションにおいては、話す技術と聞く技術のバランスが重要であることを示唆しています。話すことの容易さと聞くことの難しさを理解することで、私たちは両方のスキルを等しく重視することの重要性を認識することができます。
相手の話を真摯に聞くことによって、より深い理解と共感が生まれ、これが信頼関係の構築に寄与します。また、自分の意見を適切に表現することで、自己の立場を明確にし、有意義な対話を促進することができます。
すなわち、話すことと聞くことの両方を磨くことが、全体としてのコミュニケーションの質を高める鍵となるのです。
バジョットの言葉は、単なる言葉のキャッチフレーズ以上の深い洞察を私たちに提供してくれています。コミュニケーションスキルを高める旅の中で、この格言を指針として聞く技術を磨くなら、きっと更なる人間関係の深化につながっていくに違いありません。
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