「対立を防ぐ話し方とは?意見を建設的に伝えるための具体的な方法」(1分間 話し方教室東京)
ビジネスの現場でも、日常の人間関係でも、自分の意見を伝える場面は少なくありません。ですが、伝え方を間違えると、相手との関係が悪化したり、意見そのものが無視されたりすることもあります。
だからこそ、単に意見を述べるのではなく、「建設的に伝える」技術が求められます。今回は、建設的に意見を伝えるために重要なポイントを、実践的な視点からご紹介します。
1. 共感を示し相手を尊重する
自分の意見を通したいという思いだけで突き進んでしまうと、対立や感情的な反発を生むリスクがあります。そのために必要なのが、まず相手の立場や気持ちに「共感」することです。
アクティブリスニング
アクティブリスニングとは、相手の話にうなずき、相づちを打ち、時に要約しながら聴くことで、「あなたの話を大切に聴いています」という姿勢を示す技術です。
感情に寄り添うフィードバック
「それは大変でしたね」「そのお気持ち、よくわかります」など、感情に寄り添った言葉は、相手に安心感と信頼感を与えます。
共感からスタートすることで、自分の意見を伝える土台も整い、相手の心に届きやすくなるのです。
2. 自らの意見は簡潔・明確に
どんなに良い意見でも、伝え方がわかりにくければ、相手に理解されません。論理的で簡潔な話し方を身につけることが、説得力を高めるカギといえます。
結論から先にシンプルに述べる
意見は「結論→理由→詳細」という構成が分かりやすく伝わります。例えば、「私はこの製品開発に賛成です(結論)。なぜなら、今の市場ニーズに合致していると思うからです(理由)。顧客のニーズは、〇〇から、△△へと変化してきています。ところが、当社には、△△を満たす製品がありませんでした。そこで、新製品をラインナップに加えることはとても重要だと思います。(詳細)」というようにすれば、スッキリと伝わります。
専門用語や曖昧な言葉を避ける
難解な表現や専門用語を多用すると、相手は途中で理解をあきらめてしまいます。これでは、話している意味がありません。そこで、専門用語などをなるべく使用しないで話をします。
どうしても専門用語を使いたいのなら、簡潔に、わかりやすく説明することが重要になります。たとえば、「KPI」や「ROI」なら、「成果の指標」「投資に対する効果」と説明を入れるべきです。
3. ポジティブワード・フレーズで
自分の意見を通すためには、ネガティブな言葉よりもポジティブな表現を選ぶことが効果的です。対立ではなく、提案や代替案として伝えることで、相手の感情に配慮した対話が生まれます。
否定するよりも肯定する
「それは違います」よりも、「このようにすれば、さらに良くなると思います」といった表現を選ぶことで、相手を否定せずに自分の意見を伝えることができます。建設的な議論の場をつくるためには、この“言い換え力”が非常に重要です。
相手の批判にも謝意を示す
「ご意見ありがとうございます」「このような場をいただき、感謝しています」など、冒頭や締めくくりに感謝を伝えるだけで、意見の印象がまったく変わります。人は、「攻撃的な意見」ではなく「敬意と感謝に包まれた意見」には耳を傾けるものです。
さて、意見を建設的に伝えるには、単なる技術以上に「相手を尊重する姿勢」「伝わりやすい構成」「ポジティブな表現」が不可欠です。もちろん、こうした話し方は、一朝一夕で身につくものではありません。今日よりは明日。明日よりは明後日という具合に、伸ばしていくことが肝心です。
伝え方を変えれば、結果は変わります——それを体感したい方は、ぜひ本学の話し方教室での学びを検討してみてください。能力アップの時間が大きく短縮されることは間違いありません。
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