話し方教室東京 コラム|近未来のスピーチ練習法!
VR空間でもスピーチ練習は可能
「コミュニケーション・エデュケーション」掲載の研究論文では、将来的に、バーチャル・リアリティ(VR)の活用により、パブリック・スピーキングの実践を積め、対人コミュニケーションにおける不安値(CA:他者とコミュニケーションを図ることに関する不安・恐れ)を軽減できる可能性を秘めていると報告された。
VR空間では聴衆や壇上の臨場感を再現でき、より実践的なパブリック・スピーキングの練習が可能となる。本番さながらの環境下にて本番同様の不安・緊張を感じながらスピーチを練習することにより、コミュニケーション伴う不安・恐怖の克服、スピーキングスキルの向上が促される。
情報提供のスピーチでは、リアルのスピーチ練習とVR技術を用いた練習結果に大差はない
対人コミュニケーションにおける不安値は、話すことへの不安・恐怖・緊張・苦手意識の程度に個人差はあるものの、時に、人前で話すことを不可能にさせる。
一方、パブリック・スピーキングは、人前で話す練習や実践などの経験に伴い、上達する。それゆえ、パブリック・スピーキングを避ける場合、経験不足より上手く話せず、結果的に、人前で話すことに対する苦手意識は増し、コミュニケーションの不安・恐怖は増幅する。
今回の調査では、学生195人を対象に、パブリック・スピーキングの実践とVR技術を用いたスピーチ練習における効果を検証した。学生127人はペアになって5分から7分程度のインフォーマティブなスピーチ(informative speech:情報提供のスピーチ)を行い、96人にはVR技術によるパブリック・スピーチ練習を課した。
調査を通して、ペアでのパブリック・スピーキング実践、VRによるパブリック・スピーキング練習ともに、スピーチの評価は大差なかった。
スピーチへの不安・恐怖を軽減する効果は、リアルでのスピーチ練習が勝る
VR技術は本番に近い環境下にてスピーキングスキルを実践し、人前で話すことによる不安・恐怖・緊張を体験する機会を与えるが、スピーチへの不安・恐怖を軽減する効果は、パブリック・スピーキング実践のほうが高くなった。
研究チームは、不安感や恐怖心から人前で話す練習ができない場合、VRを用いたパブリック・スピーキングの練習は、人前で話す不安・恐怖・緊張を克服する足掛かりになると評価する。
実際に人前で話す練習を重ねたうえで、補講としてVRを使用することで、効果的にパブリック・スピーキングに対する不安・恐怖・緊張が克服でき、スピーチスキルは向上できると考えている。
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