話し方教室(東京) コラム「賢者のように考え、人々の言葉で話せ。」

【今日の金言/2024-07-24】

「賢者のように考え、人々の言葉で話せ。」
ウィリアム・バトラー・イェイツ

この言葉は、コミュニケーションの効果を最大限に引き出すための深い洞察を含んでいます。

コミュニケーションに欠かせない思考と表現

賢者のように考えるということは、深い洞察力と理解をもって物事を見ることを意味します。

知識豊かで、論理的かつ批判的な思考が求められることは言うまでもありません。一方で、このような高度な思考を持っていても、それを伝える言葉が聞き手に受け入れられなければ、コミュニケーションは成立しません。

したがって、賢明な考えを、聞き手が理解しやすい言葉、すなわち「人々の言葉」で表現することが重要です。これには、専門用語を避ける、具体例を用いる、話の流れを明確にするといった技術が必要です。

聞き手と感情的なつながりを築く

「人々の言葉で話せ」という部分は、聞き手との感情的なつながりを築くための鍵でもあります。

ここでいう「人々の言葉」とは、単に簡単な言葉を使うということだけではなく、聞き手の文化的、社会的背景を理解し、それに基づいた言葉選びをすることを意味しています。

共感を呼び起こし、信頼関係を築くためには、相手の立場に立って物事を考え、それに合わせた言葉で情報を伝えることが不可欠なのです。

知識を社会全体で共有し、広めるために

この格言は知識の普及という観点からも解釈できます。

賢者のように深く、広範な知識を有することは価値があることですが、それを社会全体で共有し、広めるためには、平易な表現で伝えることが求められます。

教育者や指導者は、自らの専門知識をもって他者を啓蒙する責任がありますが、その際には、理解されやすい言葉を使って、広く情報を伝えることが重要です。こうしたアプローチは、知識の階層をなくし、より多くの人々が情報にアクセスしやすくなることを促進します。

イェイツの格言は、深い思考と幅広い共感を得るための表現技術のバランスを説いています。コミュニケーションとは、単に情報を伝えるだけでなく、聞き手の心に響くような、影響力のあるものでなければならないことを教えてくれているのです。

■ 記事関連・話し方講座／あがり症専門 話し方教室・目的別・話し方講座一覧

■ 話し方コラム提供／©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)／話し方教室コラム・スタッフ委員会