話し方教室(東京) コラム「『情報』と『コミュニケーション』という言葉はしばしば同じ意味で使われるが、それらは全く異なることを意味する。情報は提供することであり、コミュニケーションは伝わることである。」

【今日の金言/2024-08-03】

「『情報』と『コミュニケーション』という言葉はしばしば同じ意味で使われるが、それらは全く異なることを意味する。情報は提供することであり、コミュニケーションは伝わることである。」
シドニー・J・ハリス

この格言は、情報伝達とコミュニケーションの違いを簡潔に、しかし的確に示しています。

「情報」のイメージ

「情報」という言葉は、データや事実、知識が提供されるプロセスを指しています。情報は、メール、報告書、ニュース記事、講義など、多くの形で提供されることがあります。

情報の提供は、知識の伝達という点で極めて重要ですが、そのプロセスは一方通行の特徴を持っています。情報提供者は受け手の理解や反応を必ずしも考慮に入れていないことが多いものです。

例えば、講義や会議でのプレゼンテーションでは、情報がどれだけ効果的に伝わっているかを確認するためのフィードバックの機会は限られています。

「コミュニケーション」のイメージ

対照的に、「コミュニケーション」は情報がどのように受け取られ、理解され、共有されるかに焦点を当てています。コミュニケーションは双方向性が特徴で、発信者と受信者間の相互作用を基盤としています。

これには、言語的なメッセージだけでなく、非言語的な要素(例えば、声のトーン、表情、ジェスチャー)も含まれます。コミュニケーションの成功は、情報が適切に理解され、適切に反応されることに依存しているのです。

コミュニケーションでは、双方が積極的に関与する環境が特に重要になります。

情報提供とコミュニケーションのバランスが重要

上述した情報とコミュニケーションの違いを理解し、両者のバランスをとることが効果的コミュニケーションのためには重要になります。

情報を伝える際には、単にデータや事実を列挙するのではなく、受け手がその情報をどのように受け止め、どのような意味を見出すかを考慮に入れる必要があるということです。

これには、聞き手の知識レベルや興味、感情を考慮した説明が求められます。また、フィードバックを求めたり、受け手の反応を観察したりすることで、コミュニケーションが成功しているかどうかを評価することもできます。

さて、コミュニケーションでは、情報が相手に伝わり、理解されるプロセスを重視します。この格言は、私たちに、コミュニケーションの際には、常に「伝わっているか」を自問しなければならないことを教えてくれていると言えるでしょう。

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