話し方教室(東京) コラム「話力は思考力、あがるから話せないのではない。」
【今日の金言/2025-01-24】
「話力は思考力、あがるから話せないのではない。」
酒井美智雄(日本コミュニケーション学院 創業者)
この言葉は、話力が単なる表現技術に留まらず、思考の深さや明確さを反映しているという深い洞察を与えています。
話力は思考力
まず、「話力は思考力」という部分に注目します。言葉や表現力が優れていることは、その背後にある深い思考力に裏打ちされていることを示唆しています。
パブリックスピーキングは単なる言葉の羅列ではなく、緻密で論理的な思考が伴って初めて真価を発揮します。良いスピーチやプレゼンテーションは、的確で明快なメッセージを伝えるだけでなく、その根底にある深い思考がカギであることを示しているのです。
あがるから、話せないのではない
多くの人が大勢の前で話すことに対して緊張を感じ、その緊張・あがりのせいで、スピーチがうまくできなかったと言っています。しかし、酒井の格言は、その間違いを喝破し「あがるから、話せないのではない」と述べています。
「あがる」ことが話せない原因ではなく、むしろ思考力との関連性が重要であることを強調しているのです。実際のところ、酒井は、スピーチ・プレゼンの障害とされがちな人前での緊張やあがり症も、根本的には思考力を高めることができれば解決できると語っています。
情報を深く理解し、すばやく処理する能力を高める
人前での緊張やあがり症は、単に、自分の思考が拙いために考えをうまく表現できない言い訳にすぎないと酒井は言います。実際のところ、事前に伝える情報を深く理解し処理することができれば、あがって話せないという問題は、起きなくなるものです。
もちろん、達人や熟練者は、咄嗟のスピーチでも高速思考で対応可能ですが、初心者や多くの人達にとって、それは無理なことです。ですから、思考がレベルアップするまでは、繰り返しパブリックスピーキングの練習を行うことを忘れてはなりません。
酒井の格言は、スピーチとは単なる表現の技術ではなく、深い思考と密接に結びついているという重要なポイントを説いています。思考力を高めることが、あがらずに話す堂々たるスピーカーの条件であり、これを勝ち取る過程が、人の成長に直結すると言ってよいでしょう。
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