話し方教室(東京) コラム「良い会話は二人でテニスをするようなものである。」

【今日の金言/2024-12-22】

「良い会話は二人でテニスをするようなものである。」
ダヴィッド・フロスト

この格言は、コミュニケーションの本質について深い洞察を提供しています。

会話はテンポよくリズムよく

テニスのゲームでは、プレイヤーは相手からのボールをただ受け止めるだけでなく、適切に打ち返す必要があります。

これは会話においても同様で、一方的な話ではなく、双方が積極的に参加し、発言を交換することが求められます。リズミカルにボールを打ち返すことでゲームは成り立ち、会話もまた、このようなテンポとリズムで展開することが理想的です。

相手の言葉に耳を傾け、適切なタイミングで自分の意見や感想を述べることが、良質なコミュニケーションを築く上で不可欠といえます。

会話では相手をよく観察する

テニスでは相手の位置や動き、ラケットの向きといった要素を常に観察し、次の一手を予測することが重要です。

会話においても、相手の非言語的サイン(表情や身振り、目の動きなど)を読み取り、その感情や反応を理解することが、効果的な対話を行うための鍵となります。

相手が興奮しているのか、不安に思っているのか、または何かを期待しているのかを感じ取ることで、より適切な返答が可能となります。このような観察は、会話の中で相手とのつながりを深め、理解を促進する助けとなります。

会話では適応能力と柔軟性が肝心

テニスのゲーム中、プレイヤーは風の方向、太陽の位置、相手の戦略など、様々な外部要因に応じて自分の戦略を調整します。会話においても同じく、状況や相手の様子に応じて話題を切り替えたり、トーンを変えたりする柔軟性が必要です。

特に異なる文化や背景を持つ人々とのコミュニケーションでは、この適応能力がさらに重要になります。例えば、相手が話の流れについていけていない場合は、より簡潔で分かりやすい表現を選ぶことが望ましいでしょう。

フロストの比喩は、会話を単なる言葉の交換ではなく、相互理解と調和を目指す活動として捉えるための有用な枠組みを提供しています。

良い会話とは、相手と自分の間で心地よいテンポで行われるべきであり、そのためには双方が互いに注意を払い、適応し、参加する姿勢が必要になることを教えてくれているのです。

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