話し方教室(東京) コラム「言葉で表現できることは限られているが、その影響は無限大である。」

【今日の金言/2024-06-28】

「言葉で表現できることは限られているが、その影響は無限大である。」
ウィリアム・ジェームズ

この格言は、コミュニケーションの本質とその影響の広がりについて深い洞察を提供しています。

言葉の限界

人間が言葉を用いて表現できる内容は、確かに限られています。

これは、個々の言語が持つ語彙の限定性や、言語そのものが捉えることができる現象の範囲に由来します。例えば、特定の文化や経験を共有しない人々に対して、ある感情や状況を正確に伝えることは非常に困難です。

言葉は具体的なものを伝えるには強力ですが、抽象的な概念や複雑な感情を完全に表現するにはしばしば不十分です。このように、言葉にはその表現力に自然な限界が存在するのです。

言葉の影響力

しかしながら、その限界にもかかわらず、言葉が持つ影響力は計り知れません。

言葉一つで人の行動を動かすことができ、社会に変革をもたらすことが可能です。歴史を見れば、熱烈な演説が大衆を鼓舞し、重要な社会運動のきっかけとなった例は枚挙にいとまがありません。また、心温まる一言が人の心を救う場面も少なくありません。

これらから、言葉が如何に強力なツールであるかが理解できます。言葉は、人々の感情や思考に深く影響を与え、行動の変化を引き起こす力を持っているのです。

非言語コミュニケーションの重要性

言葉を超えたコミュニケーションの形態、つまり非言語性のコミュニケーションの重要性に焦点を当ててみます。

言葉で伝えられない多くの情報は、ジェスチャー、表情、声の調子、態度などを通じて伝えられます。これら非言語的要素は、メッセージの真意を伝える上で極めて重要であり、しばしば言葉以上の情報を持っているものです。

非言語コミュニケーションは、人間関係の構築や信頼感の醸成において、言葉よりも強い影響力を持つことが少なくありません。このため、効果的なコミュニケーションにおいては、言葉だけでなく、これらの非言語的要素にも注意を払うことが求められます。

ウィリアム・ジェームズの格言は、言葉の限界と影響力について簡潔に表現しています。私たちは、言葉の限界とその無限の可能性の間で、日々コミュニケーションを展開していると言えるのです。

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