話し方教室・学院総長のコラム「情報流出対策」
故意や、うっかりミスで企業機密が流出する
企業の顧客情報や自社の機密が、外部に流出する事態がしばしば起きています。故意だったり、うっかりミスであったりと事情は様々です。
ふと私は、20代の時の出来事を思い出しました。
ある時、お客さんの財務データがぎっしり詰まった鞄を持って、当時の上司と電車に乗り込みました。 満席でしたので席に座らずに、重い鞄を持って立っていたのです。あまりにも重いものですから、鞄を網棚に上げようとしたその時です。
上司が、「身体から離してはダメだ!俺が持つ!」と言ったのです。
「棚の上に置けば忘れるし、下に置けば置き引きにあう。お客さんの大事なデータが入っているんだ。身体から離すな!」と。私は迂闊(うかつ)だった自分を反省した次第。以後私は、電車に乗ると、立った時には両足で鞄を挟み、座れば膝の上。これが習い性になりました。
企業機密の流出を防ぐには
私は、顧客情報や機密が外部に流出する事態を防ぐ方法は3つあると思っています。
1.流出しづらいシステム作りと、その更新。
2.定期チェック、抜き打ちチェック。
3.事例による教育を、反復して徹底実施すること。
当時の上司は、今はその時のことを、きっと忘れていることでしょう。
でも私は、しばしば、あの時の情景を思い出しては、今だに反省を繰り返しているのです。
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