話し方教室(東京)「それって、人間関係の問題ですか?」
人間関係の問題と錯覚している人達
世の中には、人間関係で悩んでいる方がたくさんいます。
その中には、人間関係の問題ではないのにもかかわらず、「人間関係の問題」だと錯覚して、色んな「人間関係改善セミナー」を渡り歩いている人達も少なくないのです。
つい最近では、こんな方にお会いする機会がありました。
その方は、ある朝寝坊をしてしまい、「寝坊しました。遅れます。すみません」と上司に連絡をして出社したところ、会社に着くやいなや上司にこっぴどく罵倒されたそうなのです。
以来、上司との人間関係がうまくいかなくなったということです。彼女は上司との人間関係を修復するために、人間関係に関する色んなセミナーにでているのでした。
人間関係よりも、ビジネス常識に問題あり
私は彼女に「心から謝りましたか?」と尋ねたところ、「はい」と答えます。念のため「寝坊した時、どんな風に上司に連絡して謝ったの?」と聞きますと、「メールで」といいます。
私は空いた口が塞がりませんでした。これでは、罵倒されても無理はありません。ビジネス常識に問題あり!だったのです。
たぶん上司は寝坊したそのことだけで、彼女を罵倒したのではないと思います。寝坊して、その連絡や詫びを、こっそりと、メールですませたこに対して、上司は彼女を叱ったに違いないのです。
寝坊して、出社が遅れたことは就業規則違反ですから、もとより怒鳴られても仕方がないことです。これは第一次問題。
彼女の場合は、起きた時点で、直ぐさま「電話」を入れて、連絡しなければいけないのに、それをしなかった。これは第二次問題。そして、こっちの方がうんと問題なのです。
彼女が罵倒されたのは、第二次問題を引き起こしたため、そう言ってよいでしょう。
真の問題に手を打たない限り、問題解決はできない
ですから、彼女の場合、人間関係のスキル以前に「ビジネス常識、ビジネスエチケット&マナー」を身につけるのが最優先課題なのです。
人間関係改善セミナーで人間関係スキルを磨いている場合ではありません。でないとまた、同様の問題を引き起こすことになるでしょうから。
人間関係がうまくいかない場合、それをすぐ人間関係の問題と短絡的に認識してしまうケースが少なくありません。
しかし、真の問題に手を打たない限り、問題は解決しません。これは何事に関しても言えることですね。
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