話し方教室「朝礼スピーチの話材/味覚というものは、やっぱり保守的」
35年ぶりに、懐かしの・おでん屋さんへ
超久しぶりに、35年ぶりに、都内のとある おでん屋さんに行ってきた。
以前、仲間とよく通っていた頃はまだ大学1~2年生だった。当時は、大学生にもなれば、社会も大人と認めてくれていて、未成年でもお酒を飲んでかまわない風潮だったのだ。
当時も、「法律上は、未成年はお酒を飲んではいけない」ことになってはいたが、大学生には鷹揚な時代であった。
その35年ぶりのおでん屋さんは、場所も、店構えも、そして味も、まったく当時のままだった。それが嬉しかった。
福岡のおでんと、東京のおでん
私は福岡の出身だから、おでんの味というのは、薄口醤油とダシと、おでんダネから染み出したエキスの味であった。つゆの色もほとんど透き通っていて、言ってみれば、セブンイレブンのおでんだ。
大学生になって東京に来て、初めて食べた関東のおでんが、先のおでん屋さんのものだったわけだが、味にはカルチャーショックを覚えた。
関東のおでんの印象は、醤油辛く、色も濃い口醤油を使っているので、黒い醤油の色そのものだった。初めて食べた時は、正直うまいとは思わなかった。西の私には、味が濃すぎたのだ。
昔食べた味は、忘れられないもの
それから、かなりの時を経て、同じおでんを食べたわけだが、その濃い味付けが、今となっては旨く感じる。
考えてみれば、福岡で過ごした少年期までの時間の、もう2倍の時間を東京で過ごしているわけで、いつの間にか、すっかり東京の味にも慣れてしまっている。
でも、西と東と、どっちのおでんの味付けが好きか、と問われれば、もちろん西。つまり、福岡のおでんに決まっている。
味覚というものは、やっぱり保守的なのである。お袋の味が忘れられないのも、同じ理由なのだ。
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