話し方教室(東京)/朝礼スピーチの話材「『おもてなし』その言葉の意味するところは?」

「おもてなし」を、行動に移せるかどうか

日本がオリンピック招致を決めたのが昨年9月。実に56年ぶりの東京オリンピック招致となる。その時のプレゼンテーションの「お・も・て・な・し」が、今も多くの人の目と耳に焼き付いているのではないだろうか。

私はそのプレゼン以降、「おもてなし」とは、具体的にはどういうことだろうか、どんな言葉の定義になるのだろうか?と考えていた。

なぜなら、抽象度の高い言葉は、具体的に理解されない限り、行動に移すことが困難だからだ。

「おもてなし」を定義する

つい先頃、文科省所管の統計数理研究所が、全国の成人を対象に2013年に実施した「日本人の国民性調査」の結果を公表した。

それによると、10の選択肢の中から、日本人の長所を複数選んでもらったところ、「親切」が71%、「礼儀正しい」77%、「勤勉」77%だったという。

私はこの結果を見て、おおむね妥当なところだと思った。と同時に、まさしく、これこそが、「おもてなし」の中身ではないだろうかと感じたのだ。

つまり、「おもてなし」を定義すると、「親切で、礼儀正しく、一生懸命(勤勉)に、相手のことを思い遣って行動すること」になるのではと。

思えば、「親切で、礼儀正しく、一生懸命(勤勉)に、相手のことを思い遣って行動する」ことができる人種なんて、日本人と、あとほんのわずかな人達しかいないに違いない。

「おもてなし」の意味を具体的に理解した時、行動に移せる

これから2020年に向けて、国を挙げて、オリンピックの成功を目指すことになる日本。多くのボランティアの人達も、そこには参画することになるだろう。

その時に、皆が「おもてなし」の具体的意味を、キチンと理解して取り組んで欲しいものだと思う。そうすれば、東京オリンピックの成功に一歩近づくに違いない。私はそれを願っている。

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