話し方教室東京 教養講座-パラドックスを理解し、生産的コミュニケーションを!
コミュニケーションのパラドックス
2人の人間が何かの話題を話し合っているとします。そんな時、もし意見が両極端に分かれていると、実は話が平行線になっていて、論点が噛み合っていないことが多いものです。それぞれが自分の主観的な意見を繰り返し、それが正しいと主張しているだけの対話になっていることがあります(客観的には正しくなくても)。
もちろん、そんなことに2人は気づかず、お互いに相手のことを「嫌なヤツ」と思って終わります。
一見正しいと思えるようで、実は正しくないことを主張していることを「コミュニケーションのパラドックス」といいます。ちなみにパラドッスクとは、ギリシャ語で「矛盾」、「逆説」、「ジレンマ」を意味する言葉です。
「一見間違っていそうだが正しい説」もしくは「一見正しく見えるが正しいと認められない説」などを指して用いられます。
会話や議論のパラドックスに気づいた時の対処法
日常の会話でも、ビジネスの議論でもコミュニケーションのパラドックスは起こります。どちらにしても非生産的な対話であることに違いはありません。効果的なコミュニケーションのためには、パラドックスを理解しておくことはとても大事です。
では、パラドックスに陥っていると気づいた時には、どうすればよいのでしょうか。
そのポイントは2つあります。まず、互いの主張をいったん止めて、今話し合っていることの大事な「論点」を2人で整理しあうことです。二人がそれぞれの意見を相手に認めさせようとする時には、大事な論点は置き去りにされていることが多いからです。
次に、相手がどんなきっかけや動機で話し始めたかも理解した方がよいでしょう。他愛もない動機かもしれませんし、そもそも議論する価値のない動機かもしれません。そうすることで2人の意見の食い違いに対処するための効果的な方法が見つかる可能性があります。
他人と自分を同一視せず、他人の心情をくむコミュニケーションを
さて、当たり前のことですが、自分と他人とは別の人間です。別の人間ですから価値観やものの見方が異なって当然です。人間には、それぞれ固有の経験があり、それがその人の人生を形作っているのですから。
しかし、私達は気づかないうちに、「自分も他人も同じ人間、同じ価値観」であるという間違った前提で話をしていることがよくあるのです。
自分と他人は同じではありません。ですから、他人と自分とを同一視することなく、他人の心情をくむ努力がコミュニケーションには必要なのです。
他人と自分を同一視しないで、他人の心情をくむことを「エンパシー」といいますが、そのエンパシーある態度が、効果的コミュニケーションのための大切なカギになることは覚えておきたいものです。
■ 記事関連・話し方講座/仕事で必須の2大コミュニケーション能力開発・話し方教室
■ 話し方教養講座提供/©話し方教室の名門・日本コミュニケーション学院(東京)/話し方教養講座・スタッフ委員会