話し方教室 教養講座-「知の技術」ディベート・スキルを磨け!
ディベートは単なる議論や意見の交換以上の意味を持ちます。この議論形式は、論理思考、批判的思考、そして効果的なコミュニケーション技術を養成するための重要な手段とります。
ディベートで得られるもの
ディベートは参加者(肯定側・否定側)に対し、様々な視点から情報を分析し、理論的に根拠を持った意見を形成することを要求します。つまり批判的思考を求めるのです。この過程で、参加者は自身の信念や前提を再評価し、より広範な視野を持つことが可能になります。
また、参加者はディベートを通じて、公の場で意見を述べ、大勢の前で堂々と話さなければなりません。これは、自信の向上に繋がり、将来的にはリーダーシップを発揮する際の重要なスキルとなり得ます。
そして、異なる意見を持つ相手と議論を交わす中で、他者の視点を理解し、尊重することも学びます。これは、多様な社会で共生していくために不可欠な寛容性を養うことに通じるのです。
ディベートに求められるスキル
ディベートでは、テーマについて論理的かつ系統的に考え、効果的に自己の立場を支持するための根拠を提供する必要があります。つまり論理思考です。そのためには、因果関係を明確にし、強力な証拠と論理で支えられた主張を展開することが求められます。
また、意見を明確に伝えるスキルは、ディベートの中核を成します。これには、言語的明瞭さだけでなく、非言語的コミュニケーション(例えば、ジェスチャーや視線のコントロール)も含まれます。もちろん、相手の主張を正確に聞き取り、それに対して効果的に反論するリスニングスキルも欠かせません。
ディベートにおいては、有効な議論を展開するために、事前準備が欠かせません。これには、関連するデータや情報の収集、それを整理し、戦略的に使うための計画が含まれます。綿密なリサーチが、ディベート中に信頼性のある情報を提供し、議論を有利に進めるための基盤となるのです。
ディベート技術を磨くには
ディベート技術を磨くには、実際に模擬ディベートを行うことが効果的です。友人や同僚と組んで、異なるトピックについて討論を行い、フィードバックを受けることで、自身のスキルを客観的に評価し、改善することができます。
また、プロのディベーターや過去のディベート大会等のビデオを見ることで、有効な戦術や表現技法を学び取ることもできます。これにより、自分自身のディベートスタイルを開発することが可能になります。
そして、ディベートにおいては、最新の情報に基づいた議論が求められるため、定期的に最新のニュースや論文を読み、知識を更新することが重要になります。この習慣は、ディベートだけでなく、日常生活においても最新情報に基づく意思決定を行うために役立つのです。
話し方教室の視点/今日の一言
「ディベートは、人の成長を促す」
ディベートとは、言ってみれば、知の技術です。それを習得するには強靭な思考が求められます。そして、その困難なプロセスは、人としての成長を促進します。
ディベートは知の技術ではありますが、実は、それだけにとどまりません。自分自身の感情を管理する方法も学ばせるのです。高い緊張感の中で、論理と理性に基づいた判断を生みだす訓練は、高圧的な状況下で冷静さを保ち、ストレスを効果的にコントロールする能力に通じます。これは人生の様々な場面で生きてきます。
そして、もう一つ。ディベートを通じて構築されるチームワークの精神は、共同で目標を達成する際の協力関係構築につながります。個々の強みを活かし、チーム全体の成果を最大化する方法を理解することは、仕事はもちろん、個人的な関係においても重要であることは間違いありません。
学院総長 酒井美智雄
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