話し方教室 教養講座-言いにくいことを部下に指摘する伝え方・話し方のコツ!
環境を整えた上で伝える
言いにくいことを部下に伝える際は、その環境設定が非常に重要になります。
まず、プライベートな空間で1対1で話すことです。集団の中や他人が聞いている場では、部下は防御的になりがちです。また、リラックスできる場所を選ぶことで、心理的に安心し、話を受け入れやすくなります。
さらに、適切なタイミングを見極めることも大切です。例えば、部下がストレスを感じているときや、他の業務で忙しいときは避け、心に比較的余裕がある時にする必要があります。
このようにして、伝える側と受け取る側が最も効果的にコミュニケーションを取れる状況を作り出すことが、うまく伝える鍵となります。
伝え方・フィードバックの技術を磨く
言いにくいことを伝える際には、具体的で建設的なフィードバックの技術が求められます。
まず、「事実」と「感情」を区別し、感情に基づく評価を避けることが大切です。事実に基づいて具体的な例やデータを挙げながら伝えることで、部下も自身の行動を客観的に評価することができます。
また、「私は」という一人称を用いることで、非難するのではなく、自己の感じたことを伝える形になりますので、相手は受け入れやすくなります。
さらに、改善を促すための具体的な方法を共有することで、部下にとって明確な行動指針となり、モチベーションの向上にも繋がります。
継続的なサポートを実施する
フィードバックを終えた後も、継続的なサポートが重要になります。一度の会話で完結するのではなく、定期的なフォローアップを行うことで、部下の成長を促し、また信頼関係を深めることができます。
具体的には、定期的なミーティングを設けて進捗を確認し、部下が自己改善に向けてどのような努力をしているか、どのような困難に直面しているかを共に考える時間を持つことが効果的です。
このような継続的な関わりを通じて、部下自身が自己の成長を感じ取ることができるようになります。また、上司としても部下の成長を第一に考え、支援する姿勢を常に示すことで、組織全体の士気や生産性の向上にも寄与します。
話し方教室の視点/今日の一言
「リーダーは部下と普段からコミュニケーションを取り信頼関係を築け」
言いにくいことを伝え、受け入れてもらうためには日頃の関係のあり方が重要になります。つまり、日頃の信頼関係構築がカギになるのです。
そのために、まずは、日常的にコミュニケーションを取るようにしてください。その中で、肯定的なフィードバックを積極的に行うことに努めてください。
例えば、小さなことでも、正しい行動や成果に対して認識し、評価します。そうすることで、部下は自己の価値と成長を感じるようになりますし、その結果、困難なフィードバックを受けた際にも受け止めやすくなるのです。
学院総長 酒井美智雄
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