話し方教室東京 教養講座-医療従事者は明確なコミュニケーションで、患者に正しい服薬を指導せよ!
不十分なコミュニケーションでは、患者は薬の服用法を誤解
ハーバード・ヘルス・パブリケイションズのブログ内で、医学博士のデイビッド・スケールス氏が、患者への投薬の際には明確なコミュニケーションが重要である、と多くの医師に呼びかけています。
スケールス氏によると、膀胱炎で通院していたある女性患者(60歳、ブラジル移民)の症状が、いっこうに回復しなかった事例があるというのです。
その膀胱炎の治療をしていた女性は、薬を飲んでいたにも関わらず症状が悪化するばかりでした。そこで詳しく調べると、彼女は、処方された2種類の薬を混同しており、間違って服用していたことが判明したのです。
つまり、この患者は抗生物質と痛み止めを処方されたのですが、抗生物質と思って服用していた薬が本当は痛み止めであったため、実際の抗生物質にはほとんど手をつけていない状態だったのです。こうして、彼女の症状は悪化する一方でした。
複数の医療従事者が患者とコミュニケーションを取ること
この事例のように、医療現場では、患者は一見理解しているようでも、実はそうでない場合が多く見られるのが事実のようです。この原因は、医師と患者の間で薬に関する知識のギャップがあるためではないかと考えられます。
それなら診察の時点で、医師が患者と確実にコミュニケーションが取れれば問題ないようにも思えますが、実際のところ、それでも不十分なようです。
医師以外に、看護師や薬剤師などのスタッフと協力して、患者が薬の作用や服用方法をきちんと理解するようサポートすることが望まれます。さらに、付き添いの家族がいれば、その人にも伝えるなどの工夫が必要かもしれません。
話し方教室の視点「服薬指導はダブル, トリプル コミュニケーションで」
(記事の要点)
患者が薬の服用法を間違わないようにするために、
1.医師が、患者と確実にコミュニケーションが取ること。
2.看護師や薬剤師などの医療スタッフも、患者とコミュニケーションを取りサポートすること。
(本学・話し方教室の視点)
さて、正確、的確なコミュニケーションというものは、なかなか難しいものです。そうは言っても、患者の生命にかかわる医療の現場では、その正確、的確なコミュニケーションが求められます。しかも、効率的にです。
その正確、的確なコミュニケーションのためには、企業の取り組みが参考になるでしょう。
企業には、大事な事柄を徹底させるための方法があります。それはダブルチェックです。一つのことを、2人でチェックする方法です。もっと大事な事柄なら、トリプルチェックになります。つまり3人でチェックします。
医療現場のコミュニケーションでも、医師だけのシングルコミュニケーションだけではなく、看護師や薬剤師も参加するダブルコミュニケーション、さらに生命にかかわる重要な事柄なら家族も含めたトリプルコミュニケーションでチェックを行うことが重要になると言えるでしょう。
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