話し方教室東京 教養講座|AI時代のビジネス・プレゼンテーションとは?
AI時代のビジネスでの「人間の付加価値」とは何か?
近年、AI(人工知能)の普及、ギグ・エコノミーの拡大が著しいのはご承知の通りです。
そんな中、グロービス経営大学院(東京)英語MBAプログラム教員であるダレン・ミナバニー氏が「Desymbol」のなかで、「今後、ビジネススキル、専門知識・技術、職務経験はIT技術に代替される可能性が大きくなるが、クリティカル・シンキング(批判的思考)、デザイン思考、ストーリーテリングは価値あるスキルであり続ける」と教えています(2018/08/24)。
※ギグ・エコノミー:インターネットを介して単発・短期の仕事を受発注する非正規労働にて成立する経済形態
「批判的思考」と「デザイン思考」を手に入れてプレゼンを
例えば、市場調査結果をプレゼンテーションする場合、クリティカル・シンキングにより、問題・課題といった目的を正確に把握したうえで、マーケティング対象、ターゲット市場を正しく選定します。
クリティカル・シンキングとは、物事の問題特定や分析を行い、解決策を導く思考力です。物事の問題・課題を特定し、仮説を立て、根拠・証拠など適切な情報を用いて問題解決を行う思考技術になります。
クリティカル・シンキングには、懐疑的な見解が根底にあります。それゆえ、話し手は、プレゼンテーション目的・目標、現状からの仮定・仮説、目的・目標達成における不足要素を軸に内容を構成・展開することにより、クリティカル・シンキングに基づいた内容にできるのです。そして話し手には、聞き手の要望、聞き手を説得・納得させる強い根拠・証拠を考慮する必要もあります。
プレゼンテーションでは、論理的思考であるクリティカル・シンキングに加えて、さらに創造的思考であるデザイン思考も求められます。デザイン思考が加わることによって、最適な意思決定・判断を行え、実践的で創造的な問題解決が可能になっていきます。
話し方教室の視点「上級ビジネス・プレゼンテーションには『思考技術』が不可欠!」
(要点)
1.ミナバニー氏によれば、AI時代でもクリティカル・シンキング(批判的思考)、デザイン思考、ストーリーテリングは、人間にとって価値あるスキルであり続ける。
2.批判的思考(クリティカル・シンキング)やデザイン思考により、実践的で創造的な問題解決や意思決定につながる。
(解説)
世間ではスピーチやプレゼンテーションのレベルアップには、とにかく「場数」が大事という間違った認識がまかり通っています。しかし、場数よりもよほど大事なものがあります。それは、思考力(思考技術)にほかなりません。
たとえば「論理的思考力」がない人には論理的説明はできませんし、もちろん論理的文章も書けないのです。これは当たり前のことなのですが、でも世間の認識は違っています。「あがって、論理的に話せなかった」などと言っている始末ですから。
さて、キレのある、説得力あるプレゼンには、いくつかの「思考力」を鍛えなければなりません。ロジック、クリティカルシンキング、問題解決思考、意思決定思考、企画・構想思考などです。端的にいえば「判断力」の領域になります。上級プレゼンターを目指す方は、その力をどうしても高めなければならないのです。
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