話し方教室 教養講座-聴衆の記憶に残るスピーチをする秘訣!
効果的なスピーチを行うためには、単に言葉を並べるだけでなく、聴衆に強く印象を残し、記憶に刻み込むことが重要になります。
明確、シンプル、かつ 力強いメッセージであること
まず、スピーチの核となるメッセージを明確にすることが不可欠です。
スピーチの内容が複雑で、主張が曖昧だと、聴衆は何を伝えたいのか理解しづらく、結果として記憶に残りません。効果的なメッセージは、シンプルかつ強いインパクトを持ち、聴衆にとって重要で共感できるものであるといえます。
そこで、1つのスピーチにおけるメッセージは1つか2つに絞るのが望ましいでしょう。
たとえば、アメリカのリンカーンやジョン・F・ケネディーの演説、新しいところではバラク・オバマの演説もそうですが、明確なビジョンと希望を中心に据えたシンプルかつ力強いメッセージによって、何年経っても人々の心に残っています。
このように、伝えたいテーマを1つに集中させ、そのテーマを何度も繰り返し強調することで、聴衆に忘れられない印象を与えることができます。
ストーリーテリングを活用すること
スピーチにストーリーテリングの要素を取り入れることは、聴衆の記憶に長く残るための強力な手法です。
人々は物語を通して情報を理解し、感情的に引き込まれる傾向があります。データや事実だけを羅列するスピーチではなく、個人的な体験や具体的なエピソードを交えた話をすることで、聴衆との距離を縮め、感情的な共鳴を引き起こすことができます。
また、物語を活用することで、スピーチの構造が自然に組み立てられ、聴衆にとって理解しやすくなります。物語には始まり、中盤、終わりがあり、これに沿ってスピーチを構成することで、聴衆はスピーチの流れを追いやすく、結果的に記憶に定着しやすくなるのです。
例えば、自己成長や逆境を乗り越えた体験を語ることで、聴衆は話者の感情に共感し、メッセージをより深く受け止めることができます。
非言語コミュニケーションを意識すること
また、言葉だけでなく、ジェスチャーや表情、視線、声のトーンなど、非言語的な要素もスピーチの印象を左右します。
非言語コミュニケーションは、スピーチのメッセージを強調し、感情を視覚的・聴覚的に伝えるための重要な手段です。たとえば、強調したいポイントでは視線を聴衆としっかり合わせ、ハンドジェスチャーも活用して、聴衆を引き付けます。
さらに、声のトーンや間の取り方も、スピーチに深みとメリハリを与えます。声のトーンを変えたり、時おり間を置くことで、重要なメッセージがより際立ち、聴衆の注意を引くことができます。
特に、間を上手く使うことは、聴衆に考える時間を与え、メッセージを心に刻む瞬間を作り出す効果もあります。
話し方教室の視点/今日の一言
「記憶に残るスピーチは、完璧な準備と練習が作り出す」
記憶に残るスピーチをするには、上記のポイントを実践してください。そうすることで、スピーチは単なる言葉の羅列から、聴衆の心に刻まれる体験へと変わり、長く記憶に留まることが可能になります。
そのためには、もちろん、事前準備が重要です。準備段階で聴衆の特性や期待を理解し、聴衆が何を求めているのか、どのような背景を持っているのかを把握することが欠かせません。
そして、準備が完了したら、繰り返し話す練習をすることです。自然な表現ができるようになるまで、必ず行います。
記憶に残る良いスピーチには、必ず入念な準備があります。そうでなければ、聴衆との強いつながりを生みだしたり、内容が深く彼らの記憶に刻まれることなど、起こりえないのです。
学院総長 酒井美智雄
■ 記事関連・話し方講座/社長の高度話力開発・専門特化コース
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