話し方教室 教養講座-聴衆が聞き取りやすい声でスピーチを!

明瞭な発音でスピーチする

スピーチでは、声の明瞭性が非常に重要です。明瞭な発音とは、各単語をはっきりと区別して発語することを意味します。

これを実現するためには、まず基本的な発声練習から始めることです。舌の位置や口の動きを意識することが大切です。例えば、母音を長めに発音する練習や、子音をしっかりと発音する練習を行うことで、発音の質が向上します。

また、日常会話とは異なり、スピーチでは少しオーバーアクションで発音することが効果的です。大げさに感じるかもしれませんが、聴衆にとっては聞き取りやすい発音となります。あわせて、リズムやイントネーションにも注意を払う必要があります。

声のトーンとボリュームを調整する

聴衆が聞き取りやすい声とは、適切なトーンとボリュームで話される声です。高すぎる声や低すぎる声は聞き取りにくいため、自分の自然な声域に合わせて、やや高めのトーンで話すことが一般的には推奨されます。

また、ボリュームに関しては、会場の大きさや聴衆の数に応じて適宜調整することが重要です。大きな会場や外でのスピーチでは、声を張り上げる必要がありますが、マイクを使用する場合は、適度に調整してください。

そして、トーンとボリュームを効果的に使い分けるためには、リハーサルが不可欠です。できることなら、実際のスピーチの前に、会場で声のテストを行い調整することをお勧めします。

聴衆との親和性を保つ

聞き取りやすい声は、技術的な要素だけでなく、リスナーとの親和性も影響します。

スピーチ中にアイコンタクトを取る、笑顔を見せる、話の中で観客に質問を投げかけるなど、聴衆との相互作用を図ることで、親しみやすさと理解の深まりを促進できます。

親しみやすいスピーカーは、聴衆から見れば、より聞き取りやすく、メッセージが伝わりやすいと感じられるものなのです。ですから、自分の話を聞き取りやすくするために、リスナーとの親和性も忘れないことが大切なのです。

話し方教室の視点/今日の一言
「効果的なスピーチのために『声磨き』を忘れるな」

スピーチの成功とは、内容の質だけではなく、いかに聴衆に届けるかにも依存します。したがって、声を効果的に届けることは、とても重要なことです。まずは、上記のポイントをご参考になり、声磨きに取り組んでください。

そして、声の健康を保つことも、聞き取りやすい声を維持する上で肝心です。そのため、声帯を守るために、適切な水分補給、暖かい飲み物の摂取、適度な休声時間の確保など、声帯の健康も意識してください。

また、緊張やストレスが声に影響を及ぼすこともありますので、スピーチ前のリラクゼーションや正しい呼吸法に取組むことをお勧めします。

聴衆が聞き取りやすい声でスピーチを行うことは、あなたのメッセージをよりよく伝えるための鍵になります。スピーチの上級者を目指す方なら、声磨きは避けて通れません。

学院総長 酒井美智雄

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