温泉はお好きですか?
 風呂好きの日本人のことです、温泉が嫌いな方はあまりいないのではないでしょうか。

 そのお湯につかってやっていることは百人百様。鼻歌をうたう人、ただボーッと景色を眺める人、変わったところではお経を唱える人、色んな人達がいます。共通点は、どの人も、気持ちよさそうにお湯に浸かっている点です。

 何も人間だけが温泉に入るわけではないようです。猿も、鹿も、入ります。熊も入るとか。鳥だって入ります。福岡県には「原鶴温泉」という温泉が筑後川・中流域にあります。原鶴の地名は、その昔、傷ついた鶴が湯あみをした後、元気に飛び立って行ったところから名づけられたと言われています。

 ところで皆さんは、世界一の長寿国は、男女ともに日本であることをご存じですね。日本人の長寿の理由を探ろうと世界の科学者たちは興味津々です。

 長寿の理由は、食事、運動、それ以外の生活習慣と、色々と説はあるようです。その中の有力な説として、「お風呂」が長寿の最有力の要因ではないか、というのがあります。
 その根拠はおおよそ次の通りです。

 「食事」を考えてみた場合、日本人の食事も洋風化してきており、「食事」が長寿の真の要因というには無理がありそうだ。
 では「運動」はどうだろう。運動だって、日本人だけが特に熱心なわけではなく、また日本人特有のものがあるわけでもない。これも要因としては、ちと弱い。

 じゃあ「生活習慣」はどうか。人々が毎日シャワーを浴びる国はあっても、人々が毎日クビまでお湯に長くつかる習慣をもった国はない。どうもこの「お風呂」があやしい、というわけです。
 確かに、お湯につかれば、血管が拡がり血液の循環や代謝がよくなります。身も心もほぐれるのは間違いありません。それを繰り返せば健康によいだろうというのも容易に頷けるところです。

 まあ、ことの真相はお預けとして、この「長寿要因・お風呂説」を口実に、この一番寒い季節、温泉に出かけるというのはいかがでしょうか。これなら、ご家族だって、きっと反対はしないと思いますよ。でも、湯冷めだけはしないでくださいね~。
 では、次号までカゼなど召されませんよう、お元気でお過ごしください。

(C)酒井美智雄